2012/05/13

ブレス

いわゆるアウフタクト、つまり予備拍は指揮者の最も大切な役目です。予備拍で「音楽を見せる」こと。しかしアマチュアの指揮者の多くは、これができていない。それは予備拍を「見せる」ことばかりにとらわれていて、音楽にあったブレスができていないからです。

腕をどう動かすか、どう見せるか、ではなく、自分が体で音楽をどう感じて歌うか、が先にこなければいけません。自分が歌う。そして体全体で表現する。そして手が自然に動く。これが指揮の基本です。

ブレスはテンポや強弱、曲の表情によって異なる。オーケストラ全体に伝えるつもりでブレスをすれば自然に頭、顔、わずかでも体は動きます。この動きだけで指揮者として十分なのです。これを分かりやすく腕(指揮棒)で拡大するだけです。つまりブレスが自然であり、腕が無理無く動くということが基本です。

Valery Gergiev Conducting Masterclassのビデオをぜひ参照されたし。ここでのGergievが言っているポイントは、「奏者には目で合図せよ」ということですが、彼の見本は目と頭の動きだけで指揮をする、つまり小さいブレスで指揮をしているということです。


指揮をするということは、呼吸をすること、つまり音楽そのもの(全パート)を声を出さずに歌うことです。そして呼吸にあわせて手や体が動き、発汗量や顔の表情に変化が生まれるのです。おそらく、心拍数や血圧も、曲の表情にあわせて変化しているはずです。

もちろん、指揮の動作の基本や決まり事はありますが、音楽そのものを体のどこかで表現するという発想、姿勢がなければ、いくらバトンテクニックが上手くても、オーケストラには何も伝わらないし、そこから音楽は生まれません。

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