2015/03/15

指揮者になる覚悟

アマチュアでもプロでも音楽家を目指す人に見て欲しい。1985年にアメリカで作成されたドキュメンタリー。小澤征爾氏50歳の時のこと。私も高校生の当時この番組を見て感動したのを覚えている。違法なアップロードかもしれないが、是非ともこういう良いものはパブリックドメインとして残して欲しい。


28:47~ ヨーヨー・マ氏との東洋と西洋の振る舞いの違いの議論。残念ながら小澤氏の本音は収録されていないが、彼の苦悩はよく分かる。ヨーヨー・マ氏がうまくその違いを言葉にしている。東洋人として西洋人を相手に西洋の音楽をやるときと、東洋にいるときの振る舞いは変えるべきなのだろうか。

40:28~ 今でこそ名だたる指揮者として活躍されている十束直弘氏の修行時代、レッスン後、小澤氏宅に招かれての一対一でのメンタリング。「ここで(自分の心の中で)革命が起こらないといけないんだよ。」 昔、指揮者としての自分に問題があると気づいたけれど、どうすればいいかわからなくなって、安藤さんの家に無理やり押しかけて、指揮のレッスンを無理に頼んでやってもらった時とほぼ同じ会話だと思った。そうなんです。自分の中で革命が起きないといけない。これは何も指揮者に限ったことではない。行き詰まった時は何かドラスティックにやり方を変えなければならない。それは時として、自分の考えも及ばなかったことであったりする。そこに気づくのは、やはり自分と向き合う強さと、良い師や辛口の批判をしてくれる仲間のおかげであったりする。

49:10~ "Don't copy. You must create by yourself." このブログを読んでいる方なら当然わかっているとは思うけれど、「良いことは真似る」は指揮者にとっては百害あって一利なし。基礎は身につけなければならないが、オーケストラをまとめ、芸術作品を作り上げるということは、全身全霊をかけて表現することであり、それは百人百様なのです。しかも相手(オーケストラ)が変われば同じやり方が通用するとは限らない。

2015/02/01

必要最低限だけ振る

常に奏者一人一人が、各人のテンポ、タイミング、リズムを主体的にコントロールし、合わせて行くように仕向ける。そのためにも、指揮は必要最低限だけ振るように心がける。こうすることにより、どの小節のどの拍に、本当に指揮が必要なのかが見えてくる。これは、練習の初期段階から、演奏会本番までに言えることです。

指揮は、その動作でもってオーケストラに指示を与えるのですが、動作をどうするかということが重要なのではなく、心と頭の中の音楽が重要なのです。「見栄え」を良くしようとしても、それは奏者にとっては意味をなさないし、多くの場合よけいにわかりにくくなります。

参考までに、Riccardo Mutiのリハーサルで、彼がなんと言っているか。単純にC majorからA flat majorという非常にかけ離れた転調をする箇所で、昇華するような心の色の変化がほしいと言っているのです。そのために、指揮者は「TV映りのいいような動作もできるが、それは意味をなさない。私はできるだけ何もしないようにしようとしている。」と言っています。